そんなこんなでラーメンナイト (3/3)



みんなお腹すいてたみたいでぼちぼち喋りながらさっと完食。
コナン君にもちもちラー、あーんしたけど笑顔で首振られた。
神崎君しょんぼり。
とんこつは昴おにーさんから一口もらった。何故か。
普段あまり食べないんだから食べなさいってお母さんか。ってかなんで昴おにーさんが俺の食事事情知ってるんだよスコッチてめー。
それを聞いたアガサ博士も一口分けてくれようとしたけどさ。博士、それ神崎君が頼んだのと同じラーメン‥‥。

「美味しかったーー!」

「ええ、なかなかあそこも美味しいですね」

帰り道もなんやかんやでまた安室先輩と一緒。
残りのみんなは車で帰ったからね!くそう、神崎君哀ちゃんともっとお話ししたかった。

「あ、安室先輩ゴチでしたー!」

「突然押し掛けたわけですし、これくらいはね」

あ、そうそう。
結局、沖矢おにーさんと安室おにーさんの二人にゴチになった。
金を出すと言って譲らない男、安室透。
その意地は俺でもわからないでもないが周りはおにーさんズのぬるーい舌戦にドン引きしてた。
博士のワシも‥‥‥‥は黙殺された。このおにーさんズこわーい。
はぁ、とため息を吐けば息が白い。

「おおおお、すげー!イブなのにやっぱ雪降ってる!!」

これが漫画の世界。
ほんとテンションあがる。

「イブは普通、降るものだよ」

神崎君の世界だとあんまし降らなかった」

「どんな世界ですか‥‥」

「んー‥‥‥‥名探偵も怪盗もいない世界かなー」

「それは平和そうだ」

「あと、ランドマークが定期的にブッ壊されない世界!!東都タワーとか!」

「それは杯戸町あたりが少し特殊というか‥‥‥‥」

死神君か。
ちっちゃな死神君のせいだと言うのか。

「というよりも君はよく‥‥‥‥」

「よく?」

何かを言いかけて止める安室先輩。
ちらっとこっちを見てため息を吐くのはやめてくれませんか。まるで俺がアホの子みたいでは。

「‥‥‥‥やめておくよ。流石にこういう日は不粋だろうし‥‥‥‥」

「げぇっ!クリスマスに説教はノーサンキュー!」

「そう思うなら少しは言動を改めろ」

安室さん、安室さん。
降谷出てる降谷。
最近、安室透よりも降谷零みる頻度のが高いんだけど。

「安室先輩もたまには無断欠勤改めるべきだと神崎君思いまーす」

「‥‥‥‥それは‥‥‥‥」

あ、意外と気にしてたぞこの無断欠勤常習犯。

「プライベートアイ、事件らしいですってマスターにフォローしてあげてる神崎君をもっと労るべきだと思いまーす」

「‥‥‥‥だから、そういうところだ」

どういうところだってばよ。
頭グリグリされた痛いひどい。
あ、メールきた。

「スマホ、買ったんですね」

「流石にないと不便だし」

持たされたとも言う。
そんな、神崎君行きだおれたりしないし突然失踪したりなんかしないのに。
‥‥‥‥たぶん。

「あ、オキャさんだー」

「おきゃ‥‥‥‥?ああ」

ちょっと、ちょっと勝手に人のスマホ覗きこまないでよー。
別にいいけどさ。
赤井さんじゃなくて沖矢昴さんからだし。

『今日はありがとう
無事に帰れるようにお気をつけて
事件、事故、災害に巻き込まれたら速やかに報告すること』

オキャさん俺をなんだと思って。大凶か、そうか。今日のラーメン屋のメンバーで十分今日の大凶は使ったわ。
え、これどう返事すりゃいいの。
微妙な顔で安室先輩に助けを求めたら、そっちも微妙な顔してた。
てきとーでいっか。

『ゴチになりましたー!
災害は洒落にならんって(´;ω;`)
沖矢さんも事故らんよう気を付けてくださいねー!!
(´・ω・)ノ★*゚*☆*゚*めりくり!いぶ!*゚*☆*゚*★ヽ(・ω・`)』

「あ、安室先輩メリクリイブ!」

「取って付けましたね‥‥‥‥」

「明日はめりくり言うし。朝一でちゃんと言うし」

「はいはい」

「食器洗って待ってろよー!」

「食器洗いは君もやるんですよ」

「そーだけどさぁ」

「そういえば神崎君は彼とはどういう繋がりなんですか?」

そういえばって言いながら軽く尋問されてる気分。
トリプルフェイスこわい。

「新一君繋がり?みたいな?」

「それは予想していたけど‥‥‥‥」

「なんか、沖矢さんが工藤邸に泊まることになったから、たまに面倒見てあげてねって新一君が」

「ああ、君の面倒を彼が見ているんですね」

「先輩、逆!逆!」

俺のお話聞いて!

「‥‥‥‥‥‥‥‥事件か‥‥‥‥」

ふと、先輩が考え込むそぶりを見せた。
ん?ってなった俺を横目でちらっとみる。
なんだ、なんだ。

「‥‥‥‥君は」

「?」

「高木刑事と仲がよかったね」

「えー‥‥‥‥うん‥‥‥‥まあ」

たまにポアロに来るよね、高木刑事。
たまに仕事の打ち合わせとかで彼女連れてきてるよね。
会うたびに俺の良心が悲鳴をあげるし、安室透がちょっかい出してくるしで!会えるのは嬉しいけど!なんでか神崎君どきどきしちゃうな!
これが‥‥‥‥罪悪感‥‥?

「困ったことがあったら彼に言うんだよ」

「えっ。う、うん?」

「言いづらいなら僕や‥‥‥‥‥‥‥‥まあ、沖矢さんでも構わないし」

妥協にけっこう間がかかったな、おい。

「はーい」

「残念ながら、君はほんとうに天性のトラブルメーカーのようだからね‥‥」

神崎君トラブル作ってない。あいつとのエンカウント率が高いだけ」

スプレーは使ってないはずなのに。何歩くさむら歩いたら遭遇率下がります?
レベル上げもしてないし、狙いのモンスターもいないのよ!

「それに、まあ、なんだかんだなんとかは‥‥‥‥なってるし」

たぶん。
なってないこともあるような気がするけど気のせい気のせい。
いいね?神崎君は銀髪の怖いおにーさんをぶん殴ったりなんかしなかった。

「なんとかなっていない気がするから言っているんですよ」

ぐう。

「この先‥‥‥‥今までと同じように行くとは限らない‥‥‥‥から、ね?」

「‥‥‥‥はーい」

確かに今年は厄年かってくらいヤバい年だったけどさ。でも神崎君、ほかにも色々ヤバい大凶に‥‥‥‥とか色々言い訳はしたいけど、ここは素直に頷いておいてやろう。
絶対うんって言うまでお説教されるやつ。

「まったく、君は‥‥‥‥」

はいって言ったよ!俺、素直な神崎君だったよ!!
聞き分けのないやつだみたいな顔される謂れはないぜ!

「まあ、一応言っておいたからね」

「はーい!」

「年末まで、ポアロでよろしく」

「年末もよろしくぅ!」

「タメ口」

「よろしくおねがいします、せーんぱい」

まったく口うるさい先輩だ。
怖いんだか面倒見がいいんだか今一よくわからない安室先輩と別れて帰り道。
いやぁ。俺も安室先輩にずいぶんなれたなぁ。
バイトはじめの頃はいつ逮捕されるかと‥‥‥‥って、ちがうちがう。神崎君、一般人。ワルイコトシテナイ。ナニモシテナイ。

「あ、またメール」

ぴぴっと。
あ、また沖矢さんだ。
えーっと?

『Merry Christmas
トラブルは必ず報告すること』

‥‥‥‥赤井さんしつこい。



おまけ(クリスマス当日)


「彼女いない神崎君!一人寂しくケーキだけ買って帰ると何故かそこには!!勝手に部屋の掃除をしてる謎の死んだはずのグラサン男が!!」

神崎‥‥‥‥さすがに、俺に‥‥‥‥彼女役は無理かな‥‥‥‥」

「頼んでませんけど!?」

「母親役くらいで手を打たないか?」

「妥協した結果マザーとクリスマスってなんて事故!!ああ、念のためケーキ二人ぶん買ってきてよかった!」

「俺のぶんもあるのか。ありがとう」

「どういたしまして!」

「飯はやっぱり買ってないみたいだな」

神崎君ケーキでお腹満たせる」

「健康に悪い。ほら、チキンとお惣菜買ってきたから」

「わあ!ありがとございまーす!!コーンスープもいれます?いれちゃう!?」

「いいね。寒かったからなぁ」

「寒かったからねー」

「ラーメン俺も行きたかった」

「無茶言うな元ノックコンコン」


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