そんなこんなでラーメンナイト (1/3)
いつも通りウィスキートリオに関する本誌ネタバレ注意。
クリスマスネタ。
この世界ではじめてのクリスマスが来る。
イブの定番通りに雪が降る空に、ああここは漫画の世界なんだなぁと実感。
だって、あれじゃん。
クリスマスイブに雪が降るなんて現実には滅多にないじゃん。
大雪が来るのはセンター試験の日とデートの日に決まってんだろ、ばっきゃろー。
クリスマスデートとかしたことないんだけどね!!
「彼女ほちい」
「作ればいいじゃないですか」
「言ったな安室テメーこの野郎!」
「先輩を呼び捨てにしない」
テーブルを乾拭きしながら死ぬほどどうでもよさそうな顔をしてる安室透ことバーボンスウィートフェイス。
これだから顔のいい男は。
彼女?そこらへんに転がってるやつっしょ?みたいなノリで言われてもできねーよ!
転がってねーよ!!
「ってか安室先輩、彼女いないん?」
居なさそう。
なんだろ。
顔はすごくいいのに居なさそう。
あの硬派そうな顔してる赤井さんだってガールフレンドが複数いたのに!
「さあどうでしょう」
「居ないに一ゲソ!」
「イカですか」
「イカでーーす!」
まあイブの夜にポアロの机をのんびりフキフキしてる時点で色々お察しである。
この人そのうち仕事が恋人とか言い出すんじゃないだろうか。
24時間そばに居ても気にならない相手?お仕事ですね!みたいな。
安室先輩はたまには人間的活動をした方がいいと神崎君思いまーす。夜バーボンばっかしてんじゃねぇ。
「まあ、年に一度の聖夜くらい、特別な人と過ごしたいという気持ちはわからないでもないですがね‥‥‥‥」
おっとぉ?
「やだ安室先輩ロマンチック」
辺りを見回しても梓さんはいない。さっき帰ったもんな、知ってる。
つまり閉店後のポアロには安室おにーさんと俺が二人きりで。
これは、これはもしかして?もしかしなくてももしかして?何故かベルおねーさまより先にバーボンおにーさんと恋の花が?大輪の薔薇が?咲き誇るわんちゃん?
「まさか安室おにーさんそういう趣味が‥‥‥‥」
「ない」
ギロっと睨む安室先輩。
公安がしていい顔してない。
「少なくともお前とはない」
「やだ神崎ちゃんに辛辣」
いや、俺も嫌だけどさ。
彼氏でも彼女でも絶対細かいじゃん安室透。遅刻とかしたらめっちゃ怒られそうじゃん。
やだ神崎君もっとルーズに生きたい。
「そういう神崎君もこの後予定があるって、さっき言ってませんでした?」
あ、そうそう。
マスターと梓さんに言ったかも。
「沖矢おにーさんとコナンくんと飯行く」
いいだろ、シルバーブレットサンド。
安室のヤローのハムサンドと一味違うぜ。
「‥‥‥‥ホー」
「ほー?」
なにその不穏なホー。
なんなん沖矢昴NGワードなん。
その含みがありそうな視線は俺に向けてるの沖矢ライに向けてるの狙っちゃってるの。
え、マジで普通に自称大学院生にゴチ になるだけなんだけど。
蘭ちゃんもおっちゃんもイブの日予定入りそうだったから神崎君がコナンくんキープしたら沖矢昴(財布)がついてきただけなんだけど‥‥。
ん、おっちゃんの予定?
どっかの美人弁護士とデートだってさ。
「いいですね、どこに行くんですか?」
「え、ラーメン屋‥‥‥‥」
「へぇ‥‥‥‥ここら辺でラーメンと言えば‥‥死ぬほど美味いラーメン小倉とか‥‥ですかね?」
大当たり。
このバーボンこわい。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥安室先輩も来る?」
「いえ、そんな向こうにも悪いですし」
「いや、うん、えっと‥‥‥‥来る?」
「いいんですか?」
「ウン」
さらば俺のシルバーブレットサンド。
こんにちは神崎君の胃痛。
あ、一応コナンくんにも聞いてみるネー‥‥‥‥。
ごめん平成のホームズならびに緋色の人。
見えない圧力に神崎君は敗北したよ‥‥‥‥。
『ちっちゃい名探偵君や
安室センパイ来るってさ
いい?』
『わかった
昴さんたちも良いって』
メールの返事みて、安室先輩に伝えて、ポアロ戸締まりして‥‥‥‥‥‥ん?
昴さん、『たち』?
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